父母

昨年、屋根が崩れ、雨漏りが酷くなった実家の離れから、14年前に他界した母が大切にしていたものを、箪笥から救出した時に、写真が何枚も出てきた、その中の1枚。

新婚間もない父母。
この写真を母がずっと大事に持っていたことに、幸せを感じる。

58歳で脳幹の血管が破れ右半身不随になった母を、他界するまでの12年間ずっと一緒に生活していた父。
気が強かった母が弱音を吐いても、父は母のことを愛おしく思い、優しく明るく楽しく母と毎日を過ごしていた、その姿を私たちは見せてもらっていた。

母は肺炎で亡くなる1週間ほど前に私に、「〇〇さんが待っているから、早う家に帰りぃさん」と、入退院を繰り返していた主人のことを気に掛けて、酸素マスクを付けていながら発してくれた言葉が、未だに忘れられずに思い出される。
「母親」って...。母の言葉に重みを感じた。

父は未だに、会話の中に母が生きている。
「母ちゃんの噂をすると、母ちゃんがあの世から怒るのう」
と楽しそうに話す。

今、新型コロナウィルスが猛威を振るい、世界中の人々が大切な人を失い悲しんでおられる。
大切な人を失ってから気付かされる前に、大切な人を守るために、そして、一日でも早く終息する日が来るように、自分が出来る最善を尽くしたい。



お亡くなりになられた方のご冥福と、今なお苦しんでおられる方の少しでも早いご回復を、心よりお祈り致しております。