先日、知人と食事をしている会話の中で、「化学調味料」の話になりました。
知人は以前、放送局で短期間ですが仕事をしていたことがあり、その仕事内容は、収録後の放送内容のチェックでした。
チェック項目の中に、注意を要する用語があったそうで、業務担当者から「化学調味料」は放送業界では使用しないようにしているので、それは聞き逃さないように気を付けてくださいと念を押されて言われたそうです。
「えっ!そうなん?!」初めて知ることにびっくりした私。
続けて、その理由を知人が教えてくれました。
某調味料メーカーが「化学調味料」という言葉に敏感に反応されているからで、「化学調味料」という言葉も、某放送局がメーカーの固有名詞を放送出来ない為、苦肉の策で「化学」と「調味料」を引っ付けて言葉を造り、放送してしまったとのこと。
当時の社会背景から「化学」=「体に悪い」のイメージが段々と定着してしまったことで調味料メーカーが敏感に反応されるようになり、その言葉に対して要注意のお達しが放送業界ではあるそうです。
お料理で大活躍するも、化学調味料は体に悪いというイメージが私の中にもあり、なるべく原材料にカタカナが入っていないものを選んで買っていましたが、知人のその話を聞き、これは調べないと偏った見方をしているかもと思い、Google先生で調べることにしました。
高度経済成長期に化学物質汚染が問題となり、それが要因で「化学」=「体に悪い」という認識になり、「化学」が付く調味料も「悪」のイメージで影響を受けたようです。
ですが化学調味料は、WHO(世界保健機関)で安全性を確認していて、原材料も自然の食材から抽出したものを微生物によって発酵させ、それを乾燥させたものなので、過度に体に取り入れなければ全く問題ないということです。
言葉が独り歩きしたことにより、悪いイメージが定着し、メーカーが苦慮するまでに発展してしまう結果はまさに、過去のブログにも載せた「バタフライエフェクト」現象。
放送禁止用語から「化学調味料」の言葉が早く消え、安心・安全な「うまみ調味料」という言葉に置き換わるように、私もこれからは抵抗なく調味料をお料理に使おうと思った、知人との食事のひとときでした。